日本瓦について
日本瓦とは、日本で製造された粘土瓦のことです。
そもそも瓦が発明されたのは約3000年前の中国と言われ、その後日本に伝えられました。日本で初めて瓦が使用されたのが飛鳥寺だとされています。瓦は神社仏閣、城郭で主に使用され、江戸時代には幕府が土蔵以外の建物に瓦を使うこと禁止してしまいました。
当時は火事がとても多く、消火の際に瓦が落ちてきたら危険だからという理由だそうです。この禁令が解かれ、そこから時を重ね、日本の風土・気候にあった和瓦へと発展・普及していったと言われています。
瓦の種類
釉薬(ゆうやく)瓦
瓦の表面にガラス質の釉薬(うわ薬)を塗り焼成した瓦を言います。表面がガラス質なので陶器のような風合いがあることから陶器瓦とも呼ばれています。
- 特徴
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- 水が浸透しにくく、耐久性に優れています。
- 長い年月を経ても美しい状態を保てます。
- 様々な色の瓦があります。
いぶし瓦
陶器瓦と焼成方法(焼き方)が違い、窯の中に入れて焼き、そのあと“むし焼き”(燻化工程)にして瓦の表面に炭素膜を形成させ、瓦全体(裏も表も)が渋い銀色をした瓦を言います。
- 特徴
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- デザイン上、和風住宅の屋根に適しています。
- 釉薬瓦に比べ、耐久性が落ちます。
- 塩害や凍害等が起きることもあります。
無釉薬瓦(素焼き)
文字通り、窯で色味に変化をつけて焼きあげる瓦を言います。釉薬を施さず陶器の自然の風合いを生かした瓦で化学的な手法を使いません。
- 特徴
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- デザイン上、洋風住宅の屋根に適しています。
- 釉薬瓦に比べ、素焼きのため耐久性が落ちます。
瓦の特徴
震災以降、瓦は敬遠されがちの屋根材になりつつありますが、瓦自体の軽量化や耐震性の高い施工法などが生み出されています。瓦はとても丈夫で長持ちしますが、取り扱いが難しく、熟練の職人の技術が必要なので、業者選びが重要です。
- 耐久性能
- 風雨や太陽の光など厳しい環境下にさらされ続ける屋根は耐久性がとても重要です。瓦は高温焼成で製造されるため硬く強度が高いのが特徴です。
- 耐火性能
- 瓦は高温で焼成されるため、耐火性については十分に証明されていると思います。
- 耐水性能
- 釉薬瓦は表面が陶器質なので雨水をほとんど吸収せずに流れ落としてくれます。
- メンテナンス不要
- 一般的に、瓦には100年の寿命があるといわれています。塗り替えなどのメンテは不要です。
- 断熱性
- 瓦は断熱性などの遮断性能が高く通気性も良いため快適な住まい環境を作ります。
- 防音性
- 遮音効果が高いので雨音や周囲の騒音を気にせずにいられます。